【相続診断士×FP2級が解説】親が亡くなった、住宅ローンが残ってる…団信は使える?相続放棄すべき?

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  1. リード文
  2. 1. 親が亡くなった、住宅ローンが残ってる…まず慌てないでください
    1. この記事を開いた状況、お察しします
    2. この記事で順番に答えること
    3. この記事のスタンス
  3. 2. 結論:団信に入っていれば、住宅ローンは完済されます
    1. 団信とは「契約者が亡くなったらローンがチャラになる保険」
    2. なぜ「ほぼ確実に加入している」と言えるのか
    3. だから、まずやるべきは「確認」だけ
  4. 3. 団信(団体信用生命保険)の仕組みと、知っておくべきこと
    1. 仕組みはシンプル:保険会社がローンを肩代わり
    2. 団信が適用される条件
    3. 注意:手続きには1〜3ヶ月かかる
    4. FP2級としての補足:団信ローンは「債務控除」できない
  5. 4. まず明日やること:銀行に「死亡の連絡」を入れる
    1. 銀行はこちらから連絡しないと動かない
    2. 連絡の手順
    3. よく求められる書類
    4. 急がなくて大丈夫、でも「放置」はしない
    5. 現役営業×相続診断士として伝えたいこと
  6. 5. 団信が使えない「レアケース」もある
    1. ほとんどは大丈夫、でも例外は知っておく
    2. ケース①:そもそも団信に加入していなかった
    3. ケース②:夫婦でローンを組んでいた(連帯債務・ペアローン)
    4. ケース③:団信の告知義務違反・免責期間
    5. ケース④:滞納が続いていた
    6. 確認方法はやはり「銀行に聞く」
  7. 6. 団信で完済された後:相続するか、相続放棄かの判断【相続診断士が解説】
    1. ローンが消えた家は「プラスの財産」
    2. でも「相続放棄」を検討すべきケースもある
    3. 相続放棄の超重要ルール:3ヶ月以内
    4. 「限定承認」という選択肢も
    5. 相続診断士としてのアドバイス
  8. 7. 相続した実家、どうする?「住む・貸す・売る」の3択
    1. ローンが消えた家の3つの使い道
    2. 選択肢①:残された親が住み続ける
    3. 選択肢②:貸して家賃収入
    4. 選択肢③:売却して現金化
    5. まず「相場」を知ることから
  9. 8. きょうだいと意見が割れたとき:数字で話し合うコツ
    1. 相続でもめる原因の多くは「数字がないこと」
    2. 解決策:3つの数字を全員で共有する
    3. 「親の介護をした人」の気持ちにも配慮
    4. 現役営業×相続診断士として
  10. 9. 売却を選んだ場合の手取り計算と複数社査定
    1. 売却なら「複数社査定」で手取りが変わる
    2. 査定額は会社によって数百万円違う
    3. 相続物件の売却で使える税金の特例
    4. 効率化のカギ:一括査定
  11. 10. 最終的なパートナーは信頼できる大手で
    1. 相続物件こそ「信頼できる会社」が大事
    2. 大手の安心感が活きる場面
    3. 大手も含めた一括査定で最終候補を
  12. 11. まとめ|「まず団信の確認、慌てず一歩ずつ」
    1. この記事のおさらい
    2. 最後にお伝えしたいこと
    3. ▼ あわせて読みたい

リード文

「親が亡くなったばかりなのに、親戚から『あの家のローン、どうするの?』と言われて頭が真っ白…」

そんな状況で検索してくれたあなたへ。まず、結論からお伝えします。多くの場合、団信(団体信用生命保険)によって、親の住宅ローンは完済されます。あなたや残されたご家族が、何千万円ものローンを背負うことは、基本的にありません。

私は現役のリフォーム営業として住宅相談に乗りながら、FP2級・相続診断士として相続のご相談も受けてきました。親を亡くされた直後の混乱の中で、家のお金のことまで考えるのは本当に大変だと思います。

この記事では、①団信で本当にローンが消えるのか、②まず何をすればいいのか、③相続するか相続放棄か、④相続した家をどうするかを、順番に、分かりやすく解説します。葬儀から1〜2週間落ち着いてから動いても十分間に合いますので、どうか焦らず読み進めてください。


1. 親が亡くなった、住宅ローンが残ってる…まず慌てないでください

この記事を開いた状況、お察しします

親御さんが亡くなって、葬儀やら手続きやらでバタバタしている中、ふと「実家のローン、まだ残ってたよな…」と気づく。あるいは親戚や知人から「ローンどうするの?」と言われて、急に不安になる。

「自分が払うことになるの?」
「母さん(残された親)が一人で払えるの?」
「家を売らないといけないの?」
「相続放棄ってした方がいいの?」

いろんな不安が一気に押し寄せてきますよね。でも、ほとんどのケースでは、そこまで深刻な事態にはなりません

この記事で順番に答えること

疑問答える章
① 団信でローンは本当に消えるの?第2〜3章
② まず何をすればいい?第4章
③ 団信が使えないケースは?第5章
④ 相続すべき?相続放棄すべき?第6章
⑤ 相続した家、どうする?第7章以降

この記事のスタンス

私は不動産屋でも保険屋でもないので、「売却を勧める」「保険に入れ」という記事を書くつもりはありません。親を亡くされた方が、冷静に、損のない判断ができるように、相続診断士×FP2級×現役営業の視点で、事実と数字をお伝えするだけです。

繰り返しますが、葬儀直後の混乱した頭で、急いで決断する必要はありません。まずは深呼吸して、明日できることから一つずつ進めていきましょう。


2. 結論:団信に入っていれば、住宅ローンは完済されます

団信とは「契約者が亡くなったらローンがチャラになる保険」

いきなり核心からお伝えします。

お父様(お母様)が住宅ローンを組むとき、ほぼ確実に「団体信用生命保険(団信)」に加入しています。 この団信に入っていれば、契約者が亡くなったとき、保険会社が残りのローンを全額肩代わりして完済してくれます。

つまり:

親が亡くなる → 団信が適用される → 住宅ローンの残債がゼロになる → 家は「無借金の財産」として相続できる

という流れです。あなたや残されたご家族が、何千万円ものローンを引き継ぐことは、基本的にありません。

なぜ「ほぼ確実に加入している」と言えるのか

日本で住宅ローンを組む場合、ほぼすべてのローンで団信加入が必須です。以前はフラット35が任意加入でしたが、現在(2017年10月以降)は団信付きが基本になっています。

ローンの種類団信の扱い
メガバンク・地銀の住宅ローン加入が必須(ほぼ100%加入)
ネット銀行の住宅ローン加入が必須
フラット35(住宅金融支援機構)現在は団信付きが基本(2017年10月以降)。健康上の理由などで「団信なし」を選んだ場合のみ、ローンが残る

→ お父様が普通に住宅ローンを組んでいたなら、まず間違いなく団信に入っています

だから、まずやるべきは「確認」だけ

ローンを背負う覚悟をする前に、まずお父様が借りていた銀行に連絡して、団信の手続きを確認すること。これだけで、多くの方の不安は解消します。具体的な連絡方法は、第4章で説明します。


3. 団信(団体信用生命保険)の仕組みと、知っておくべきこと

仕組みはシンプル:保険会社がローンを肩代わり

住宅ローンを組むとき、契約者は団信という生命保険に加入します(保険料はローン金利に含まれているケースがほとんどで、別途払う感覚はありません)。

そして契約者が亡くなると、保険会社がローン残高と同額の保険金を銀行に支払い、ローンが完済される仕組みです。

契約者死亡
  ↓
銀行・保険会社に連絡
  ↓
保険会社がローン残高を銀行に支払い
  ↓
住宅ローン完済(残債ゼロ)
  ↓
抵当権抹消 → 無借金の家を相続

団信が適用される条件

条件内容
死亡契約者が亡くなった場合(最も一般的)
高度障害所定の高度障害状態になった場合

→ 基本の団信は「死亡・高度障害」が対象です。がんや三大疾病でローンが消える「特約付き団信」もありますが、それは別オプション。今回は「死亡」なので、基本の団信で適用されます。

注意:手続きには1〜3ヶ月かかる

団信でローンが完済されるとはいえ、手続きには時間がかかります(通常1〜3ヶ月)。その間も、形式上は毎月の引き落としが続くことがあります。

ただし、後から完済日にさかのぼって精算(払いすぎた分は返金)されるのが一般的なので、慌てて引き落とし口座を空にしたりしないよう注意してください。

FP2級としての補足:団信ローンは「債務控除」できない

団信の保険金は、相続税の課税対象にはなりません(ローンが消えるだけで、現金が相続人に入るわけではないため)。

ここで一つ、見落としやすい注意点があります。「住宅ローンがあると、相続税の計算でローン分を差し引ける(債務控除)のでは?」と思われる方が多いのですが、団信で完済されるローンは債務控除の対象になりません(国税庁の見解)。保険金で返済されることが確実な債務だからです。

逆に、団信に入っておらず、一般の生命保険金で住宅ローンを返済した場合は、そのローンは債務控除できます。この違いは相続税を考えるうえで重要なので、覚えておくと安心です。


4. まず明日やること:銀行に「死亡の連絡」を入れる

銀行はこちらから連絡しないと動かない

団信でローンが完済されるとはいえ、銀行は契約者の死亡を自動では把握しません。こちらから連絡して、初めて団信の手続きが始まります。

葬儀後の混乱した頭でも、電話一本でできることなので、まずここから始めましょう。

連絡の手順

  1. お父様が住宅ローンを借りていた銀行に電話する(通帳やローン契約書で銀行名を確認)
  2. ○○(父の名前)が亡くなりました。住宅ローンを組んでおり、団信に加入していたかと思います。手続きを教えてください」と伝える
  3. 銀行から必要書類のリストが送られてくる

よく求められる書類

書類入手先
死亡診断書のコピー病院(葬儀時にコピーを取っておくと便利)
団信弁済届銀行から送られてくる
戸籍謄本(死亡の記載があるもの)市区町村役場
相続人を確認できる書類市区町村役場

急がなくて大丈夫、でも「放置」はしない

団信の手続きに期限はありませんが、放置すると毎月の引き落としが続いたり、手続きが複雑になったりします。葬儀・四十九日が一段落したら、なるべく早めに銀行へ連絡しましょう。

現役営業×相続診断士として伝えたいこと

親を亡くされた直後は、本当にやることが多くて大変です。でも、「家のローンは団信で何とかなる可能性が高い」と知っておくだけで、気持ちがずいぶん楽になるはずです。まずは銀行への電話一本。そこから一歩ずつ進めていきましょう。


5. 団信が使えない「レアケース」もある

ほとんどは大丈夫、でも例外は知っておく

第2〜3章で「団信でローンは完済される」とお伝えしましたが、ごく一部、団信が使えない or 注意が必要なケースもあります。自分が当てはまらないか、念のため確認しておきましょう。

ケース①:そもそも団信に加入していなかった

フラット35を任意加入で利用していて、団信に入っていなかったケース。この場合、ローンは残ったまま相続対象になります。確率は低いですが、フラット35利用者は要確認です。

ケース②:夫婦でローンを組んでいた(連帯債務・ペアローン)

これが一番多い注意ケースです。

ローン形態親が亡くなった場合
単独ローン(親一人で契約)団信で全額完済
連帯債務型(団信に入れるのは主債務者1人だけ)主債務者が亡くなれば全額完済。ただし団信に入っていない連帯債務者が亡くなった場合は、ローンが1円も減らず全額残る
ペアローン(夫婦が別々に契約)亡くなった方のローンのみ完済、もう一方のローンは残る

→ 例えば、ご両親が「ペアローン」で家を買っていて父が亡くなった場合、父の分のローンは消えるが、母の分のローンは残るということが起こります。

特に注意したいのが連帯債務型です。連帯債務では団信に加入できるのは主債務者1人だけ(※夫婦両方が加入できる「連生団信」というオプション商品もあります)。もし団信に入っていない側が亡くなった場合、ローンは1円も減りません。ご両親がどの形態でローンを組んでいたか、銀行で必ず確認しましょう。

ケース③:団信の告知義務違反・免責期間

契約時に健康状態を偽って告知していた(告知義務違反)場合や、加入直後(免責期間内)の死亡では、保険金が支払われないことがあります。レアですが、可能性としては存在します。

ケース④:滞納が続いていた

ローンを長期滞納していた場合、団信が失効していることがあります。

確認方法はやはり「銀行に聞く」

これらのケースに当てはまるか不安な場合も、結局は銀行に連絡して確認するのが一番確実です。「団信は適用されますか?」「ローン形態はどうなっていますか?」と聞けば、銀行が教えてくれます。


6. 団信で完済された後:相続するか、相続放棄かの判断【相続診断士が解説】

ローンが消えた家は「プラスの財産」

団信でローンが完済されると、実家は無借金の不動産としてあなた(相続人)のものになります。つまり、相続すれば「プラスの財産」が手に入るということ。

この場合、基本的には相続するのが自然な選択です。家を売れば現金化できますし、貸せば家賃収入、住むこともできます。

でも「相続放棄」を検討すべきケースもある

ただし、以下のような場合は相続放棄も視野に入ります。相続放棄とは、プラスもマイナスも含めて「一切相続しない」という選択です。

相続放棄を検討すべきケース理由
親に住宅ローン以外の借金が多額にある借金もまとめて相続してしまうため
親が誰かの連帯保証人になっていた保証債務を引き継ぐリスク
事業の負債がある同上
家以外にめぼしい財産がなく、負債が上回るトータルでマイナスなら放棄が合理的

→ ポイントは、「家(プラス)と借金(マイナス)を合計して、プラスかマイナスか」で判断することです。

相続放棄の超重要ルール:3ヶ月以内

相続放棄には、「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」という期限があります(家庭裁判所への申述)。これを過ぎると原則として相続を承認したことになります。

⚠️ 団信でローンが消える前に「ローンが残ってると思って」慌てて相続放棄すると、本来もらえるはずの家まで手放すことになります。 まず団信の確認を優先しましょう。

「限定承認」という選択肢も

「プラスとマイナス、どっちが多いか分からない」という場合は、限定承認(相続で得たプラスの財産の範囲内でだけ負債を引き継ぐ)という選択肢もあります。ただし、①相続人全員で共同して申述する必要がある、②家庭裁判所への申述は相続放棄と同じく3ヶ月以内、③「みなし譲渡所得税」が発生する場合がある——など手続きが複雑です。検討する場合は、税理士・司法書士・弁護士に相談するのがおすすめです。

相続診断士としてのアドバイス

親を亡くした直後の3ヶ月は、本当にあっという間です。「団信でローンが消えるか」「他に借金がないか」を早めに確認して、相続するか放棄するかの判断材料を揃えておきましょう。判断に迷ったら、3ヶ月の期限内に専門家へ相談を。


7. 相続した実家、どうする?「住む・貸す・売る」の3択

ローンが消えた家の3つの使い道

団信でローンが完済され、家を相続することにした。次の問題は「その家をどうするか」です。選択肢は3つ。

  1. 住む:残された親(母など)が住み続ける、または自分が住む
  2. 貸す:人に貸して家賃収入を得る
  3. 売る:売却して現金化する

それぞれ、地方都市の戸建て・築14年・無借金・査定額3,000万円想定で考えてみます。

選択肢①:残された親が住み続ける

お母様がご健在で、住み慣れた家に住み続けたい場合。無借金なので固定資産税(年10〜20万円程度)だけで住み続けられます。

ただし注意点:
– 名義変更(相続登記)が必要。2024年4月から義務化され、取得を知った日から3年以内に登記申請しないと、正当な理由なく怠った場合は10万円以下の過料の対象に
– いずれお母様も…となったとき、再び相続が発生する
– 一人暮らしの安全面(高齢の場合)

選択肢②:貸して家賃収入

無借金の家なので、家賃がまるごと収入になります。ただし遠隔地からの賃貸管理は想像以上に大変です。

  • 空室リスク、入居者トラブル
  • 突発的な修繕費(給湯器・雨漏り等)
  • 築年数が古いほど借り手がつきにくい

選択肢③:売却して現金化

きょうだいで分けやすく、管理の手間もゼロになるのが売却です。手取りの目安は:

査定額    3,000万円
− 諸費用    150万円(仲介手数料等)
− 譲渡所得税   0円(※後述の特例で多くは非課税)
─────────────────
= 手取り   約2,850万円

この現金を、きょうだいで分けたり、お母様の新しい住まい(高齢者向け住宅など)の資金にしたりできます。

まず「相場」を知ることから

住む・貸す・売る、どれを選ぶにしても、実家が今いくらで売れるのか(相場)を知っておくことが判断の出発点です。相場が分かれば、きょうだいやお母様と話し合うときの材料になります。

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きょうだいやお母様と話し合う前に、まず実家の今の相場を確認しておきませんか。
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8. きょうだいと意見が割れたとき:数字で話し合うコツ

相続でもめる原因の多くは「数字がないこと」

実家の相続で、きょうだい間でもめるケースは本当に多いです。相続診断士として相談を受けていても、「兄は売りたい、弟は貸したい、私はとりあえず置いておきたい」と意見が割れる、という話をよく聞きます。

でも、もめる原因の多くは「判断する材料(数字)がないまま、感情で話している」ことにあります。

解決策:3つの数字を全員で共有する

きょうだいで話し合う前に、次の3つの数字を揃えて、全員で共有してください。

数字内容
① 査定額(複数社)実家が今いくらで売れるか
② 売却時の手取り査定額 − 諸費用 − 税金
③ 賃貸時の想定収支家賃収入 − 管理費・修繕費・固定資産税

この数字があれば、「売ったら一人あたり○○万円」「貸したら年間○○万円だけど管理が大変」と、具体的な比較ができるようになります。感情論が減り、話がまとまりやすくなります。

「親の介護をした人」の気持ちにも配慮

相続で見落とされがちなのが、親の介護や同居をしてきたきょうだいの貢献です。法律上は「寄与分」という形で考慮されることもありますが、単なる介護や同居だけでは認められにくく、「特別の寄与」があったと言える必要があります(実際のハードルは高めです)。なお、2019年からは相続人以外の親族(例:長男の妻など)も「特別寄与料」を請求できる制度ができました。いずれにせよ、まずは家族間で「あなたが一番大変だったよね」と認め合うことが、円満な相続の第一歩です。

現役営業×相続診断士として

数千万円が動く相続は、家族の関係を壊しかねないデリケートな問題です。だからこそ、感情の前に数字を置く。これが、家族みんなが納得できる結論にたどり着く、いちばんの近道です。


9. 売却を選んだ場合の手取り計算と複数社査定

売却なら「複数社査定」で手取りが変わる

きょうだいで「売却」に決まったら、次は少しでも高く・損なく売ることを考えます。ここで重要なのが「複数社査定」です。

査定額は会社によって数百万円違う

同じ家でも、不動産会社によって査定額は大きく変わります。

不動産会社査定額の例
A社2,700万円
B社3,000万円
C社3,300万円

最大600万円の差。相続物件をきょうだいで分けるなら、この差は一人あたり数百万円の違いに直結します。

相続物件の売却で使える税金の特例

相続した実家を売る場合、条件を満たせば「相続空き家の3,000万円特別控除」が使えます。

主な要件(一部)内容
対象被相続人が相続開始直前に一人で住んでいた家(老人ホーム入居でも一定要件で可)
建物1981年5月31日以前に建築・マンション(区分所有)でない
売却時耐震基準を満たすか、家屋を取り壊して更地で売る
売却代金1億円以下
期限相続開始(死亡)から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
控除額3,000万円(※2024年1月以降、相続人が3人以上の場合は2,000万円)
制度の適用期限2027年(令和9年)12月31日まで

→ この特例が使えると、譲渡所得税が大幅に減る(多くの場合ゼロになる)ので、売却するなら早めの判断が有利です。ただし要件が細かいので、適用できるかは税理士か税務署に確認するのが確実です。

効率化のカギ:一括査定

複数社にバラバラに連絡するのは大変なので、一括査定サービスを使えば1回の入力で複数社から査定が届きます。

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10. 最終的なパートナーは信頼できる大手で

相続物件こそ「信頼できる会社」が大事

相続した実家の売却は、きょうだいや親族が関わるデリケートな取引です。だからこそ、媒介契約を結ぶ会社は「家族全員が安心できる、信頼できる会社」を選びたいところ。

大手の安心感が活きる場面

  • きょうだいに「○○不動産(大手)に任せるよ」と説明しやすい
  • 高齢のお母様にも「CMでやってる会社だから安心」と伝えられる
  • 相続絡みの複雑な取引でも、対応体制が整っている

もちろん、地域密着型の会社にも「地元の相場に詳しい」「親身」というメリットがあります。最終判断は、査定額・販売戦略・信頼性・家族の納得感のバランスで。

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11. まとめ|「まず団信の確認、慌てず一歩ずつ」

この記事のおさらい

親が亡くなって住宅ローンが残っているとき、やるべきことを整理します。

ステップやること
STEP 1銀行に「死亡の連絡」を入れる(団信の手続き開始)
STEP 2団信でローンが完済されるか確認(多くは完済される)
STEP 3団信が使えないケース(ペアローン・他の借金)を確認
STEP 4相続するか相続放棄か判断(3ヶ月以内)
STEP 5相続した家を「住む・貸す・売る」で検討
STEP 6実家の相場を複数社査定で把握
STEP 7きょうだいと数字を共有して合意形成
STEP 8売却なら相続から3年以内(税特例)を意識

最後にお伝えしたいこと

親を亡くされた直後は、悲しみと手続きで本当に大変だと思います。でも、住宅ローンの多くは団信で完済されるので、まずは慌てないでください。

そして、相続するか・売るかの判断は、感情ではなく数字を集めてから。それが、ご家族みんなが後悔しない選択につながります。

まずは銀行への電話一本、そして実家の相場を知ること。そこから一歩ずつ進めていきましょう。


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最終更新:2026-05-24(Day1〜3統合・税金法律レビュー反映版)

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